イタリア留学中のアルバイト

パスポート留学中の就学用滞在許可証であっても、アルバイトをすることは可能です。

就学用滞在許可証の有効期限内であって、週20時間以内、もしくは52週間・1040時間以内であれば、被雇用者として働くことが可能です。

Il permesso di soggiorno per motivi di studeio o formazione consente, per il periodo di validita' dello stesso, l'esercizio di attivita lavorative subordinate per un tempo non superiore a 20 ore settimanali, anche comulabili per cinquantadue settimane, fermo restando il limite annuale di 1,040ore.

art,14 conversione del permesso di soggiornoより一部抜粋

勿論この場合は、雇用者側が正規の雇用(Direzione Provinciale del Lavoro、つまり地方労働局へ届出し、税金等も納める)を行わなければならないことは言うまでもありません。

しかしながら、日本で言うところのアルバイトと、イタリアで言うところのそれは、大きく意味合いが違う部分がありますので、それを次に説明します。

イタリアで言うところのアルバイトとは

日本で言うところのアルバイトというと、正社員ではないこと、つまり身分の保障がない、福利厚生が殆どない、などの労働形態を指すかと思います。

一方イタリアでは、正社員ではない労働形態というものは存在しません。

少なくとも本来であれば、そのような労働形態は存在してはならず、つまり違法になります。

ではイタリアで言うところのアルバイトとは何でしょうか?

イタリアではフルタイムにせよ、パートタイムにせよ、労働者は必ずどこかの企業などに正式雇用され、雇用者側は被雇用者の身分の保証、福利厚生を必ず与えなければならないのです。

つまり、日本で言うところの正社員です。

イタリアではこの正社員にも大まかに分けて、前述のフルタイムとパートタイムがあります。

フルタイムはその名のとおり、1日8時間、週40時間まで働く形態のことです。

パートタイムは1日8時間未満、例えば1日4・5時間くらい働く形態のことです。

但しパートタイムでも、企業側に正式雇用され、身分の保証、福利厚生があるということは、先にも述べました。

この状況のことがイタリアで言うところのアルバイト=パートタイムで働く正社員という仕事形態です。

以降、話が分かりにくくなるので、パートタイムで働く正社員をパートタイムで統一します。

但しそのような法律があっても、身分保証も福利厚生も無く働く人が居るのも事実です。

これは勿論、法律違反であり、万一の場合は、雇用側のみならず、被雇用者側も特に外国人であれば国外強制退去などの厳しい処分を受けることがあるので、このような仕事はすべきではありません。

またこのように法律に違反して働くことをイタリア語でLavoro Nero、不法就労と呼びます。

イタリアで仕事(パートタイム)は見つかるのか?

では実際のところ、イタリアで仕事(パートタイム)は見つかるのでしょうか?

現実的なことを言うならば、パートタイムでもイタリアで仕事を見つけるのは非常に厳しいのが事実です。

一番の理由は、今までにも述べたとおり、イタリアではパートタイムといっても、実際には正社員契約が必要である為です。

雇用側にとって、一人の人間を正社員として雇うとなると、長期に渡って、負担する税金なども増えるため、そう簡単に新しく人を採用したりはしません。

また外国人であれば、イタリア語の問題もあります。

これは逆に考えてみれば分かることですが、外国人が日本で仕事を見つけようとしたら、日本でアルバイトを探す日本人より苦労することは誰にでも理解できることです。

それらの理由から、例えパートタイムと言っても、簡単に仕事が見つかるとは考えてはいけません。

イタリアでパートタイムが見つかるということはかなり稀なことであって、もしそうなればかなり運が良いこと。

ですので、現地での生活費はイタリアで稼ごう、というのは最初からかなり難しい話で、留学資金などは全て、イタリア出発前に準備しておかなければなりません。

ちなみに今日、日本人留学生が比較的見つけやすい仕事として、最近、イタリアで人気の和食レストラン(中国人経営のお店も多数あります)でのウェイター・ウェイトレスとして働く、というものがあります。

が、これに限らず、レストランやBarでのお仕事は、残念ながらきちんと正社員として雇用を結ぶ例は余り多くなく、少なからずの留学生が、不法就労というかたちを取っています。

中にはたちが悪い雇用主も少なくなく、将来的に正社員として雇用するという口だけの約束をして、実際にはいつまでも正社員契約をせず、結局、留学生の就学用滞在許可証期限が切れたら使い捨てにする、という話も良く耳にしますので、注意しましょう。

以上を読んで、イタリアで働くことに興味を持った方は、当サイトの次の章、イタリアで働くにて、私自身のイタリアでの就職活動体験を踏まえての、イタリア語履歴書作成、イタリアでの仕事探しに求められるものお給料、その他法律関関係(Decreto flussi)などについても触れていますので、そちらもご覧下さい。

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